みんなで守ろうなごやの生きものたち。

園芸スイレン除去の普及啓発

現状と課題

園芸スイレンは、ヨーロッパを原産とするセイヨウスイレン(学名:Nymphaea alba)などを品種改良して作られた、耐寒性を持った多年草の園芸品種です。初夏から秋にかけ、水面に広がる葉の隙間から白や赤、ピンクなどの花を咲かせるため、この可憐な花を楽しみにしている人も多くいます。

観賞用に導入された園芸スイレンは、春にいち早く発芽し生長するため、水面全体を覆い尽くすほどにが繁茂しているため池もあります。それによって在来の水生植物が行う光合成を阻害するため、植物の生育が難しくなり、水生生物が生息しづらい貧酸素状態となってしまいます。

外来スイレンの広がるため池

協議会の取り組み

なごや生物多様性保全活動協議会では、名古屋市内のため池で繁茂する園芸スイレンの生育状況を把握するとともに、生態系に大きな影響を与えていると考えられる園芸スイレンの調査や抜取り等を行ってきました。現在は、園芸スイレン除去の普及啓発に努めています。

(1)普及啓発

園芸スイレンについて広く知っていいただくために、資料の作成や抜き取り体験などを行っています。

リーフレット

園芸スイレンのリーフレット(第2刷)
(PDF形式:1.44MB)平成25年1月発行

防除活動報告書

園芸スイレン防除活動報告書「きれいなスイレンで困ってます…」
(PDF形式:16.0MB)平成28年3月発行

園芸スイレン抜取り体験

平成28年10月5日(火)に千種区の東山新池において園芸スイレンの普及啓発と園芸スイレン抜き取り体験をして頂きました。協議会員と学生をはじめ11名に参加して頂きました。

抜取り方法説明の様子

抜取り作業の様子

(2)刈り取りによる園芸スイレンの除去

水面に展開する浮葉を刈り取ったり、池底から根茎ごと抜き取ったりすることで園芸スイレンの成長を抑制し除去を行います。
しかし、浮葉を刈り取っても、時間の経過とともに再生するため、園芸スイレンを除去するには、根茎の抜き取りと、定期的な浮葉の刈り取りが必要です。

塚ノ杁池における除去活動

平成24年9月8日(土)、猪高緑地の塚ノ杁池において、園芸スイレンの除去活動を行いました。市民調査員・ボーイスカウトの皆さんはじめ約40名に参加いただきました。

根茎の除去の様子

(3)遮光シートの被覆による園芸スイレンの除去

根茎の上を遮光シートで覆い、光合成を阻害することで園芸スイレンの発芽・生長を止め、枯死させます。
遮光シートの被覆が園芸スイレンの除去に有効であることは確認されましたが、遮光シートで覆うことが池底に生息する在来の生きもの等へ与える影響が分かっていないため、検証を行う必要があります

遮光シートによる被覆の様子
(平成22年3月15日)
遮光シートによる被覆の様子
被覆133日後の様子
(平成22年7月26日)
被覆133日後の様子
遮光シートの撤去の様子
(平成23年6月11日)
遮光シートの撤去の様子
遮光シート撤去39日後の様子
(平成23年7月20日)
遮光シート撤去39日後の様子

園芸スイレンの情報求む!

園芸スイレンなどの外来種を中心に、25種類の生きものの目撃情報を収集しています。
お寄せいただいた情報は、生物情報モニタリングデータベースに蓄積させていただきます。ぜひ生物情報モニタリングデータベースのページより情報をご登録ください。

外来スイレンの花
外来スイレンの花

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